私の中で、200kmを越える長距離を走ろうと考えるとき、
いつも必ず思い出す忘れられない記憶があります…
それが下記の記事なのですが、
一日で京都府~鳥取県往復400kmの旅
いまだに初めてお目にかかる方には、
『あの、一日で鳥取砂丘まで400km走った女子ですよね!』
なんて声をかけていただき、
その話で盛り上がることしばしば。時にはドン引きされることも多々…。
(ドン引きされることの方が多いんかいっ!…)
あの、ちょいちょいドン引きされる【一日で400kmの旅】は、
2012年10月の事でしたからもう丸三年前のお話なんですね…。
そりゃ歳もとるわー。40歳を過ぎてからの一歳の差は大きい(しみじみ)
あれから三年後の、
この2015年10月に自転車先生より、長距離の話が持ちかけられました。
先生:『金沢市まで寿司食いに行こか~!』
桃春:『わーぃ。いいよ~』
先生:『自転車でっ!!!』
桃春:『へっ???…マジかー!!!』
この時、人の話には即答するものじゃないと心に決めましたが、
私の中で、三年前の鳥取砂丘400kmは、目標だった350kmは走破したけれど、
残り40km程は大雨に降られてしまい完走は断念したので、
いつかまた必ずやリベンジしたいと思っており、
この京都から金沢市までの片道は約300kmあると聞かされましたが、
400km以内の距離であればそう驚くこともない。(いや驚くは!)
しかし、片道300kmを走る覚悟を決めるには少々躊躇もしました…。
なぜなら、
『仕事の都合でどうしても昼の15:00からしか走れないということ』
時間行程を聞くと、走り出して3時間後には暗い夜道を走らなければなりません。
到着予定時刻は午前5時。
翌日は仕事なので必ず日帰り。
行き先は南ではなくてこの時期に日本海側。
『あほちゃうか?…』
という呟きは心の中にしまいつつ、
この計画を止めるのは私の役目か?…とか、
どうせ長距離を走るなら、『鳥取砂丘をリベンジさせろ』とか、
きっと、『やっぱり止めよう』っと思い改めるだろう…
とじっと黙って見ていたのですが、
決行日が近づくにつれ、
大好きな自転車で、いま行っておきたいところなんだろうと、
自転車先生よりも私の方が決行しようという気持ちが強くなっていた。
そうと決まれば、真夜中の走行になるということを監督が心配、
いや、『コイツなら絶対走りきるに違いない!』っと思われていたのでしょうか?…
ただ、今回初めて復路は輪行することで、
輪行に必要な重い荷物を背負っての完走は負担が大きいだろうと、
自転車先生の自転車にリアキャリアとバッグを装着し、
『私の荷物を全て持ってもらえ』と提案。
自転車先生もそれを快く承諾してくれたので直ぐにそれらを準備した。
当日、集合場所にて自分の自転車を見た先生は余りの重さに驚くw…
私の荷物は二人分の予備チューブ4本とパンク修理セットのみ。
不要な物はなるべく積まずにpm15:00前に出発です。
ここ最近はずっと北北西の暴風向い風が吹いており、
そんな厳しい条件の中を走ることを予想していましたが、
有難いことに、この日は南南西の風に変わり追い風でした。
この先、長旅となるので15~20kmで背中のポケットのゼリーで補給しながら、
普段以上に口数も少なくしっかり集中して走りました。
42km地点:美山町にてトイレに立ち寄り直ぐに出発…
80km地点:小浜市手前のファミリーマート(pm18:30)
ミニ鶏そぼろ弁当と、しじみの味噌汁を食べる。
ハンガーノックと低体温症にも気をつけ、しっかり食べて体を温める。
この80km地点までは、
日没までに小浜に入っておきたかった先生のペースが半端なく、
つい出てしまった『限界…』という呟きを完全に無視された…。
(何言うてんねん?!まだ80km地点やぞ!)という心の声が、
怖い顔の裏に読み取れたので、私もそれ以来弱音を吐くのを止めた。
3年前の鳥取砂丘の時は20~30km程に休憩を挟んでいたが、
今回は40~50km毎のトイレ休憩や補給休憩を取る。
130km地点:敦賀のセブンイレブン(pm20:50)
たまごサラダロールパン、生姜入り和風スープ、スイートポテトを食べる。
夜の走行は普段あまりしないので、衣服の調節も誤らないように気をつけ、
インナー、半袖ジャージ、冬用ジャケット、にベストを加え、
体が冷える前にとシューズカバーを装着しておいた。
162号線から、27号線を経由して金沢市まで一本道の8号線に入ると、
大型ダンプや、それ以上に大きいトラック等の交通量が増し、
路面もボコボコと荒れていて危険がいっぱいの道。
おまけにアップダウンが連続し、気持ちよく走れる平地が少ない。
幾つもある細いトンネル内は走行ラインを崩さないように集中する。
安全に注意を払い、走ることに集中しお互いずっと無言。
会話したといえば、信号待ちの度に『大丈夫?』という声かけのみ。
目と耳と鼻と、そして神経を研ぎ澄ませる。
今回のライドは走行アベレージを狙っていないので兎に角安全に。
きっと昼間走ると綺麗な海が見えるんだろうな?…
180km地点:福井市下川北町ジョイフルにて(24:00)
雑炊、ホットココア、
そろそろ椅子に腰掛けると眠気が襲ってきたので長めの休憩をとる。
監督に途中経過を報告したら、普段はあまり携帯を見ないのに、
『気をつけて頑張れ!』『無理せず頑張れ』と、
その度に勇気づけられる返事が返ってきた。
この辺りまで来ると、道路標識に金沢市まで99kmという文字が書いてあり、
目的地までの走行距離が300km足らずの270km程で到着できることが判明。
片道300kmを覚悟していたので、たった30km削られるだけでも喜びを感じた…
が、そんな些細な喜びは、
『どこか走って300km走行するから!』という自転車先生の厳しい言葉に掻き消されたw
ジョイフルを25時過ぎに出発し、20km程走ったところで雨が降り始め、
あわら市笹岡のサークルKに非難する。
天気予報を確認すると、この先は朝5時頃までずっと雨模様w
リタイヤするにも辺りは真っ暗で先程の地点まで戻るしかない?…
そこで自転車先生の判断により、
コンビニでカッパと、大きなゴミ袋、ガムテープを買い、即席の雨合羽装着完了。
決して、無菌室用の衣服ではありません…
自転車先生の後ろでずっとツキイチしていると、
プードル犬の足に見えてしまったのは眠気のせいでしょうか?
真夜中の雨が降る中での走行は、
神経を研ぎ澄ませ、色色な邪気が取り払われていくような気がしました。
さて、長旅もいよいよ終盤ですが、
258km地点:(am5:30)
私のヘッドライトが切れたので予備バッテリーに交換する。
ここまで、走行時間10時間
走行アベレージはまだ25km/hを保っている…
TSSは400を超えてしまった…
そして、ここでガーミン520のバッテリーが残10%と表示された。
バッテリーが少しでも長持ちするようにと、走行前に画面のライトを消しておいたはずが、
50%で点灯させてしまっていたことに途中で気付き、
それから画面のライトを10%まで下げて走っていた。
画面ライトを完全に切っていればもう少しいけたかな?
目的地点までは残り10km程なので、
ガーミンの電池が切れてしまわないうちに急いでゴールを目指す。
目的地点に到着するまでに300kmに距離を調節すると言われ、
250km地点くらいから、頑張って300kmを走ることを覚悟したというのに、
自転車先生は、
『今回の目標はアベレージでもなく、距離でもなく、美味い中トロを自転車で食いにくることや!
っと満面の笑顔で言ってました…。
そしてam6:00過ぎ、金沢市駅に到着しました。
重い荷物を積んでくれての270kmを
『先頭固定です!』
200km地点では少し疲れもピークでしたが、
レッドブルの補給により超回復し、その後特にしんどかった訳でもないのですが、
途中から、このままずっと先頭固定で走ってもらおうと、
私はずっとツキイチで1mmたりとも前には出ませんでした…
『お疲れ様。ありがと…』
走行時間:10時間28分
走行距離:267km+α=270km
金沢市に到着した時に発した言葉は、
『来たね、来たね、走って来たねーーー!』でした…。
監督に、無事に到着したことを連絡すると、
いつもは熟睡真っ只中の時間なのに、
『お疲れさん。雨に濡れて風邪ひかないようにね』っと直ぐに返事をくれました。
一晩中、270kmを走り続けてくれたYONEXの自転車ですが、
機材的にもノントラブルで快適に走れました。
記念撮影をしたら直ぐに駅前にあったアパホテルの温泉で温まり、
そこで輪行袋に入れた自転車を預かってもらい、
タクシー1メーター(690円)で市場に今回の目的であった『中トロ』を食べに行きました。
お寿司の写真はありません…
あちこちウロウロと探索をしたかったのですがそんな元気はなく、
サンダーバードで、
初めての輪行をして帰って来ました。
電車に乗るのも久し振りでワクワクしましたが、
電車が動き出して直ぐに眠ってしまったんでしょうか…
車窓から見える景色を楽しみにしていたのに何一つ記憶にありません…
こんなに長旅だったのに写真も少ないです…
帰りに食べたコッペパンが美味しかったです。
こんなに走ったのにハンガーノックを恐れて食べまくったので、
帰宅したら体重が増えていました…。
さて、次の挑戦は何でしょうかね?…
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