『美山ロード』・・・
京都府自転車競技連盟が主催する、
京都府南丹市美山町の一般道を封鎖して開催される今大会は、
歴史ある大会でこの大会に想いを馳せる選手も多いという…。
私は今年も登録女子選手のみが出場できる、
女性最高峰のクラス【C2W=4周回】にエントリー。
このクラスは男子と女子の合計で200名という人数制限があり、
女子は男子よりも2分先にスタートさせてもらえるのですが、
3箇所の関門で男子の先頭より5分遅れで赤旗が振られ、【DNF】となります。
一般公道を封鎖して行っている大会なので時間通りに事を進めなければならない為、
少しくらい多目にみてくれるなんて無いのです…。
もしも、男子で逃げが決まれば女子の完走は極めて低くなる。
自分が3周完了直前でのDNFとなったその場所で観戦していると、
係りの人が先頭通過と同時にストップウォッチで計測し、
4分経過時点でコース脇から赤旗を持って準備し始める。
関門で5分経過には間に合わないと判断した時点で、
無線で、『次ぎ切りまーす』と連絡し笛を吹き、
バッサバッサと赤旗を振り足切りを命じていました。
先に私の結果からお伝えしましたが今年も私は完走していません。
美山には上りがあるので今の走力では完走は無理だと分かっていましたが、
昨年、初めて【C2W=4周回】のクラスに出場し、
一緒に走った選手が9年越しで初めて完走し見事優勝したことに、
自分も少しは貢献できたことが嬉しかったので、
今年は誰のアシストをしようかな?なんて密かに思って走りました。
スタート前にある選手に同調して欲しいと頼まれた。
勝つならこの選手だろうと予想していたのと、
年齢も若く、チームは違えど応援したいしこの先期待できる選手なので快く承諾する。
というか、このクラスはスタートして牽制してると男子に追いつかれ完走すらできず、
毎年完走できる女子が殆ど居ないそんな厳しいレースです。
昨年の完走者もたった一人でした…。
『自分の調子が良ければ一人でも行きますし、調子が悪ければ前には行けません…
セコイ走りはしないので分かりやすいと思うので前に居れば使ってください!』と、
そんな自分の気持ちをお伝えしました。
いよいよレースがスタートしローリングスタートが解除されたと同時に一気にペースを上げて行きます。
少しして一人の女子が前に出るとアタックをしている訳じゃないのに後続との差が開きますw
その差は5m~10mと開いて先頭で独りになった彼女が先頭交代の合図をしている…
が、彼女以外は集団になっていて彼女との差があるのでその合図をスルー。(合図空振り)
先頭交代をしてもらえなかった彼女が後ろを確認してその様子に気付いたか?…
誰も彼女を追わないので私がフォローしに行き彼女に、
『牽きが強すぎて誰も着いていけないよ。笑』と伝える。
彼女の力は想像以上に強くて踏んでないのにそのパワーが羨ましくもなった。
でも一人で逃げる気はないのか一旦集団をまとめる。
レース前に私と同様に買収されたバ●バさん達が積極的にローテに加わっていたのと、
美山の星である高校生の彼女も積極的だった印象で、
5、6名での綺麗なローテーションで進んでいく。
が、一人だけ群を抜いて力のある彼女がローテーションの順番を飛ばし、
後ろからドーンと上がってくるとそれまで綺麗に行われていたローテが乱れるw
その度にみんな彼女の後ろに着けなくて先頭に出た彼女との車間が開く。
私も一度着けなくて後ろの選手に助けてもらいましたよ(笑)
練習でも居るじゃないですか、信号待ち明けでダッシュする人とか、
ローテーションで自分の順番が来たら張り切っちゃう人。
集団の速度を上げたいのは分かりますが前に出れば良いってもんじゃない。
彼女は自分の強さに気付いていないのか?
一人で行く勇気が無く集団で行きたいのなら、
(『同調して欲しい』と言った以上自分も協調しなさいよ)と思いつつ、
でも、彼女には勝って欲しかったので、
途中から、彼女が後ろに下がったら次に後ろから上がる時に私も一緒に上がり、
集団との隙間を埋めれるようにフォローして行きました。
前情報で、一人のバ●バさんが最初から逃げると聞いていたので、
アタックしたらそこには反応できるようにしていましたが、
集団のペースが速かったのか一向にアタックされませんでした。
男子に追いつかれることなく女子の先頭集団のまま九鬼ヶ坂に差し掛かると、
上れない私はバックファイヤーwww
一度たりともローテーションに加わらなかった人にも置いていかれ、
集団から遅れていた人からも抜かれされる始末w
私の場合、九鬼ヶ坂までにどれだけ足を貯めていても上れないので、
そこまでにどれだけ足を使っても後悔はなく寧ろそこまでは大いに頑張りたい。
九鬼ヶ坂は優勝候補がアタックしたのに二名が反応し、
少し遅れて殆どの女子が固まって上っていく。
私はその集団に乗れなくて羨ましくそこを追いかけ孤独に上る。
(もう来るか?!そろそろ来るか?!)っと冷や冷やしながら懸命に登るが、
男子集団は現れずに自分も九鬼ヶ坂を上りきることが出来た!(奇跡やん)
落車でもあったのか?集団が来たらいつでも飛び乗れる心構えをしつつ、
前の女子を追いかけて下る。が昨年はコンパクトクランクで下りも休めなかったので、
レース直前に、監督に付け替えてもらったノーマルクランクで少々休みながら下る。
前の女子に追いつき平地に入り、下り切った後のコーナーを過ぎてもまだ男子は現れず、
最終コーナー手前でやっと男子の先頭集団がやってきた!
男子の先頭集団に飛び乗る覚悟と準備を心掛けていると、
丁度、最終コーナーで声援を送ってくれていた自転車先生が大きな声で叫んでいる!
『どこでもいいから乗れ乗れ!男子の集団に飛び乗れ!』と…。
ちょっと、いやかなりドキドキしましたよ。
大きな津波がやってきて前から20~25番手辺りに飛び乗ることに成功する。
最初は少し怖かったけど集団から零れないように勇気を出して男子集団の真ん中に入れてもらう。
が、飛び乗ってからの男子の集団はペースも上がっていて、
私の呼吸もヒーヒーハーハーと喧しいくらいに乱れてしまう…。
私の最後まで諦めないという気持ちが伝わったのか?
何人もの男子がそんな私に声を掛けてくれました。みんな優しかった…。
『頑張れ!』という声援は勿論のこと、
『桃春さん、お春さん、一緒に行こう』と何度励ましてくれたことでしょう…本当に嬉しかった。
『矢野さん深呼吸ッ!!!』と声を掛けてくれた人や、
林道では、『絶対行けるから着いておいで!』っと言ってくれた人は、
言ったそのしりにサッとダッシュして置いてけぼりにした人…。
お陰で上りで私を置いてけぼりにした女子の集団に追いついて、
男子の集団に飛び乗りそびれた女子を男子の集団と一緒に抜いていく快感…。
男子の集団の端から零れていく女子に『一緒に行こう』と声を掛けていく楽しさ…。
例年は、『女子より二分後にスタートした男子集団にトンネル手前で捕まるか、
トンネル横の林道で捕まるか、出来ればトンネル出口のメイン道路までは逃げたい』
という女子が完走する為の最低限の目標が、
昨年は九鬼ヶ坂の頂上まで逃げ切ることができ、
今年はなんと一周目を完了し女子の先頭はトンネル先まで逃げ切りましたよ。
(今年も少しは貢献できたかなと思うと嬉しい…)
折角、上手い具合に男子の先頭集団に乗れていて、
林道出口のダッシュに対応し、このまま行けば完走できるのでは!
っという大きな期待は再度川沿いでアタックが掛かったときにドロップしてしまうw
このアタックで集団に乗れていた女子がほぼドロップしてしまい、
そこからは抜きつ抜かれつで3周回完了手前で赤旗が振られて無念にも終了。
沿道で暖かい声援を送ってくださった皆様、スタッフの皆様ありがとうございました。
バイクペーサーの方に、『矢野さん頑張ってー!』と名前を呼んで貰えたのも嬉しかった…。
昨年、今年は勝ちたいという強い気持ちのある人の為に走りましたが、
この次は、『自分の為に走りたい』という気持ちに初めてさせてくれた美山ロードでした…。
ピンク色のアームカバーとピンク色のソックスを身に着けて、
男子集団に女子だと気付いてもらえるようなアピールも重要です…
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写真提供:FABtroni+camera様、UNO様、MOJYUMA広報部
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